轟亭の小人閑居日記 馬場紘二
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遊行寺が舞台、古今亭志ん生の「鈴ふり」
2025-01-08
正面に一人、十九か二十の青き道心が、目を半眼に閉じて、墨染の衣で数珠をまさぐりながら、静かに座禅を組んでいる。 耳を澄ますと、その若い僧からだけは、鈴の音がしない。 この遊行寺の跡目を継ぐのは、あの僧だ、あの僧をおいてない。 と、呼び寄せて、係の者が、「どうぞ、どうぞ、お見せを願います、さァ、どうぞ…。あッ! あ、あなた、鈴が、ありませんな!?」 「ハイ、鈴は、とうに、振り切れました――」
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