桂枝雀の落語を聞かずに、弟子入りを志願した桂南光
2026-04-09


 桂枝雀の弟子、桂南光が2月末から、朝日新聞の「語る―人生の贈りもの―」14回を連載した。 桂南光は、NHKの料理番組で、大原千鶴との軽妙なやりとりで、東の和田明日香・「ずん」の飯尾和樹組の向こうを張っている噺家である。 桂南光は、進路に迷っている頃、ラジオの深夜放送で桂枝雀(当時は小米(こよね))がパーソナリティの番組で淡々としゃべるのを聞いた。 テーマは、宇宙の話とか、死後の世界とか、人間はどこから来てどこへ行くのかという質問に答えたりとか。 顔もはっきり知らなくて、でも、この人なんか面白いなと。

 いろいろ調べたら、阪神百貨店にあったサテライトスタジオで別の番組を収録していることが分かった。 阪神と阪急をつなぐ陸橋で、「弟子になりたいんですが」と言うた。 イメージとしては、一緒に暮らせる書生っていうのはええなって思っていたんだが、相手は噺家なので、書生って言えなかった。 師匠は「ほぉ、私の弟子にね、分かりました。じゃあ話聞きましょうか」と言って、近所の喫茶店でお茶を飲みながら、「私の落語の何が気に入って来たんですか」と聞いてこられた。

 うそ言われへんし、「いや小米さんの落語は聞いたことなくて、いつもやってはる深夜のラジオのディスクジョッキーを聞いて面白いなと思いました」と言うたら、「君は落語も聞かんと私とこへ弟子入りに来たんですか」と。

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