ある「クリスマスの思い出」
2005-12-25


 毎月送っていただく、すえもりブックスのニュースレター“Pacheパシュ” ([URL]でも見られます)の巻頭は、タシャ・チューダ ーの『すばらしい季節』の挿絵に飾られた、末盛千枝子さんの「クリスマスの 思い出」だった。

 戦後の子供の頃、日曜ごとにご一家で(父上は彫刻家の舟越保武さん)世田谷 から四谷の聖イグナチオ教会に通っておられたという。 当時の四谷駅のまわ りは、今と全く違っていて、美しく、のどかで、教会や、上智大学の古い校舎 や、そのまわりにあった宗教関係や外国の本を扱う本屋さんのたたずまいが、 忘れられない思い出だそうだ。

 カトリック教会ではどこでも、クリスマスの時期になると、幼子イエスを迎 える馬小屋の飾り棚が置かれる。 そのころのイグナチオ教会は、ドイツの人 たちの協力で建てられたものだったので、その美しい馬小屋もドイツからきた ものだったと思われる、という。 その脇には、毎年きまって細い銀色のモー ルが飾られただけのシンプルな、それは美しい大きなクリスマスツリーがあっ た。

 あるクリスマスの朝、ミサが終ると、なんと馬小屋の前にウイーン少年合唱 団の少年たちが集まり、クリスマスの聖歌を歌い始めたのだそうだ。 そこに 居合わせた人たちにとっては夢のような出来事で、末盛さんにとっては、忘れ られないクリスマスだという。

昨日NHKが放送していた国際共同制作の『クリスマスツリー物語』による と、クリスマスツリーの起源は仏独国境のアルザス地方にあり、ドイツで流行 し始め、やがて世界中に広がっていった。 最初はモミの木にリンゴや砂糖菓 子が飾られ、それからその下に置くプレゼントを模した小さな木のおもちゃや ロウソクが、そしてチューリンゲン山地で作られるガラス玉が飾られるように なる。 聖書に記載のないイエスの誕生日が12月25日に決められたのは、冬 至、つまりこれからは日が長くなる太陽の祭に合わせたのだというのも、この 番組で初めて知った。

[文化]

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