丸山徹さんの話を聴きに行く
2009-10-20


 17日、三田の旧図書館の大会議室で連続講演会「高橋誠一郎――人と学問」 の第二回を聴いて来た。 第一席が佐藤禎一さん(東京国立博物館名誉館長、 元ユネスコ代表部特命全権大使)の「高橋誠一郎と戦後の文部行政」、第二席が 丸山徹さん(慶應義塾大学経済学部教授)の「スミス以前の経済学――高橋誠 一郎の世界」だった。 この講演会は、三井記念美術館での浮世絵展などと共 に、高橋誠一郎生誕百二十五年の記念事業として経済学部が企画したもので、 塩澤修平前学部長(福澤研究センター所長だった小室正紀さんが代ったばかり) と丸山徹さんがその中心になったらしく、この日も丸山さんは司会と講師の掛 け持ちだった。 休憩時間に高橋先生のお好きだった富山清琴さん(初代)の 地唄「雪」(武原はんさんの舞で知られた)を流したのも丸山さんだった。

 私がこの講演会に出かけたのは、丸山徹さんの話が聴きたかったからだ。 そ の理由は、前に二回丸山徹さんに感心したことがあり、この日記にも書いてい た。 一回は2006年5月15日の「福澤先生ウェーランド経済書講述記念講演 会」で聴いた「小泉信三と作家たち」という講演についてで、2006.5.20.「ア マチュア、そして総合人間学」、5.21. 「情感と風情、「述ベテ作ラズ」」、5.22. 「小泉信三さんとファールボール」、5.23.「『三田評論』小泉信三追悼号」の4 日間も書いていた。 もう一回は、12日の「高橋誠一郎先生のお好きな絵」で も触れた2007年6月「高橋誠一郎歿後25年記念講演会」の時にいただいた『手 控□高橋誠一郎略年譜 丸山徹 編』のことを、2007.6.21.に書いていた。 実 は17日の講演会でも、その『手控』とご著書『ワルラスの肖像』(勁草書房) が資料として配布されたのだった。

 丸山徹さんのすばらしいのは、ご専門が数理経済学でありながら、いわば「ア マチュア」である文学を語らせても、圧倒されるような内容の濃い話ができる ことだった。 それは、思えば高橋誠一郎先生にも通じることであった。

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