『エンディングノート』の砂田さん父娘
2011-11-23


 映画『エンディングノート』を観た。 主人公の砂田知昭さんは、経済学部 の同期でR組、U組の私とはRSTU、三つ前のクラスということになる。 面 識はなかった。 ユースホステルクラブで一緒で、仲間で旅行するのが映画に も出て来た西村君とは、毎月一緒に落語に行っている。 砂田さんの結婚式の 8ミリを家族で見る場面に、西村君が出て来て、「あ、西村」と言っていた。 西 村君の披露宴には私も出たから、そこで砂田さんに会っていたかもしれない。

 砂田知昭さんは、丸の内に本社のある化学メーカーで、録音録画用テープの 原料の営業一筋、2007年に専務で引退、第二の人生を謳歌し出した矢先の2009 年5月、定期健診で胃癌が発見されたが、すでにステージ4の状態だった。 撮 影・編集も担当した砂田麻美監督は次女、平成13年の総合政策学部卒、在学 中からドキュメンタリー作品を制作、卒業後はフリーの監督助手として是枝裕 和監督らの映画制作に参加してきた。 娘は、癌の告知を受けた父親の、亡く なるまでの半年余りの日々を、愛情と畏敬をもって撮影したのだ。

 聖イグナチオ教会での葬式の場面から映画は始まる。 式場の下見は結婚式 以来という砂田知昭さん夫妻は、1か月前に、そこを下見していた。 特技は 「段取り」と「空気を読む事」だったという享年69歳の砂田さん、「段取って も段取っても必ず何かが起こるのが本番というもの、完璧すぎるということは ないのです」と、娘の声を通して、語る。

 砂田麻美さんは早くから、接待ゴルフに明け暮れる猛烈会社人間の父の、母 との喧嘩の場面や、退職時に「営業活動はパソコンの中にはない」と後輩に言 い遺し声を詰まらせるところも、それから、医師で十年ほど前に亡くなった祖 父の晩年の姿も、撮影していた。

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