俳句「貧すれど」
2017-01-01


 明けましておめでとうございます。 平成29年の元旦です。 第582回落 語研究会を一日お休み、毎年元日に初笑いのタネにご覧に入れている自作の俳 句、俳誌『夏潮』一月号の親潮賞応募作、題して「貧すれど」です。

うらめしや晴れて嵩増す秋出水

月照るを忘れ東京蹲る

天高く大気乾きて犬笑ふ

好きな子の活躍苦き運動会

単線の電車待ちをる秋日和

秋草やひとり笑ひの地蔵様

秋澄みて味噌屋の香る城下町

有り合ひの箱で届きし柿甘し

飯勝ちの中に松茸紙のごと

誰一人笑はぬ洒落や文化の日

小さい秋見つけに田端文士村

球見えぬ七回の裏秋の暮

大仏はひとり坐すなり秋黴雨

ゴジラ出て鱗繕ふ小春かな

小春日や税務署員の昼休み

干蒲団鰯と並ぶ石畳

朝寒やいつもの犬のすまし顔

貧すれど鈍せぬ意地や一葉忌

からからとこのみふるおとわがほねに

この国の出口見えねど鮟鱇鍋

[俳句]
[身辺雑記]

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