『やすらぎの郷』の住民となる
2017-09-10


  テレビ朝日の倉本聰脚本のドラマ『やすらぎの郷(さと)』に、すっかりはま っている。 なかなか「やすらぎ」が出ずに、「あれ見ようか」と言って、録画 したものを3時のお茶の時などに、家内と見ている。 いよいよ最終段階にか かろうとしているのだが、野際陽子の登場場面は、ずいぶん後の最近にもあり、 ちゃんと撮ってあったのには驚かされた。 野際陽子が亡くなった頃、つぎの 三日分を書いていたからだ。

倉本聰『やすらぎの郷』を見始めた理由<小人閑居日記 2017.6.21.>

『やすらぎの郷』石坂浩二と野際陽子<小人閑居日記 2017.6.22.>

“姫”九条摂子の八千草薫と向井理<小人閑居日記 2017.6.23.>

 その後、「やすらぎの郷」ではいろいろな出来事があった。 及川しのぶ(有 馬稲子)の、日本のバラエティ番組の草分け「しのぶの庭」を復活しようとい う話を持ってきた石上五郎(津川雅彦)がインチキで、一緒に来て置いていか れた犬山小春(冨士真奈美)が自殺した。 及川しのぶは、認知症を発症し、 別の施設に入る。 井深涼子(野際陽子)と同棲していたこともある元任侠映 画のスターで、一世を風靡した“秀さん”こと高井秀次(藤竜也)も「やすら ぎの郷」にやって来る。 “秀さん”は美大出、女優さん達と親しくなっては、 樹木に模したそのヌードを描いていたらしいが、菊村栄(石坂浩二)の死んだ 妻律子(風吹ジュン)とも親しかったと、現代風の仏壇を届けてくれる。

テレビ草創期の、美術を担当した職人“ちのやん”(伊藤初男)と、タイムキ ーパー“カメコ”(長内美那子)夫妻も「やすらぎの郷」の住人、妻の末期がん を夫が介護している。 “ちのやん”の弟子で今は舞台美術の大御所“あらや ん”(村田雄浩)が仲間と、その病室にかつてのドラマの星空の装飾を再現する。  “カメコ”が亡くなった翌朝、“ちのやん”も亡くなり、合同葬で“あらやん” と仲間、参列のみんなが、ドラマの主題歌だった中島みゆきの「ファイト!」 を合唱する。

名トランペッターで、かつて菊村栄(石坂浩二)が脚本を書いた数多くのド ラマの音楽を担当した作曲家の白鳥洋介(上條恒彦)も、「やすらぎの郷」の 住民になった。

 「やすらぎの郷」は、テレビ草創期に活躍した人物たちの功績に報いるため の施設だから、その頃の思い出話、苦労話は、このドラマの一つの柱である。  そのテレビを初めから見ていた、私などの世代も「やすらぎの郷」でいろいろ と活躍するかつてのスターたちの背景で、やすらぎ体操や散歩をしたり、お茶 や食事をしたりしている住民の一人として、「やすらぎの郷」に住まわせても らっているのかもしれない。

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