桂米團治の「たちぎれ線香」上
2018-08-30


翌日の昼下がり、羽織を斜めにかけた男芸者丸出しの男が、ヘッヘッヘ、若 旦那様は、とやって来る。 他出してまして。 手紙をお届け願いたい。 番 頭は、文箱に入れ、ピシンと錠をかけた。 ヘッヘッヘ、翌日の昼下がり、夕 方、また朝と、どんどん女子衆(おなごし)の手紙が来る。 翌日が二通、次 が四通、八通、十六通、三十二通、六十四通、丁稚ひとりつけて扱わねばなら なくなった。 ずーーっと続いていたが、八十日目でイタチの道切り、ぴたり と止んだ。 番頭は、色街の女の恋も八十日か、と笑った。


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