老舗企業が生き残っている秘密
2020-04-10


 そこで吉田篤生さんの「マンダラチャート」だが、これを作ると、全体を鳥 の目で見ることができ、細部を虫の目で見ることができるから、これはまさに SDM的なアプローチであり、あらゆる問題解決の糸口をつかむきっかけになる、 とする。 そして「国家マンダラ」を作成、展開する。 「国家」の8マスは、 政治、経済、教育、文化、風土、宗教、国民、医療。 展開した「経済」の8 マスは、産業、資本、需要、設備機械、市場、経営、供給、労働力。 さらに 「経営」を開いて、意志決定、技術開発、マーケティング、製造、営業、人事 労務、財務、総務。 「財務」の8マスは、時代背景、政治体制、経済動向、 経営理念、顧客、資産総合力、従業員、経営者の資質。

 吉田篤生さんの「経営・財務戦略論」の講義は、企業経営の問題解決には、 企業経営システムと生命システムの間(はざま)に見える、人の心の動きが大 切だということを実感してもらうことを主眼としたという。 日本には企業経 営の本質である継続を学ぶのにお手本となる、創業から100年以上の長寿を誇 る老舗企業が3万3千社もある。 講義では毎年、「東都のれん会」の経営者 を招いて講義してもらった。 江戸小紋と浴衣の竺仙、山本海苔店、榮太樓總 本鋪、「金婚」や白酒の豊島屋本店、浮世絵の版元伊場仙、駒形どぜう、にんべ ん。 吉田さんのクライアントで、1924創業、豊橋市にある工作機械メーカー 西島へは、会社見学会を行っていた。

そこで必ず出てくる言葉が「伝統の継承と革新」、別の言葉で「不易流行」「温 故知新」、創業者精神、顧客第一主義など、変えてはいけないものはしっかり守 り、一方で変えなくてはいけないものは確実に変える、これらを老舗企業は忠 実に実行している。 さらに、みな地域社会と深く関わり、社会に貢献しよう という意識を強く持っている。 近江商人の「売りてよし、買い手よし、世間 よし」という「三方よし」を実践しているのだ。

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