「青田」と「灯涼し」の句会
2022-07-21


7月14日は、『夏潮』「渋谷句会」があった。 7月14日は巴里祭、「渋谷句会」の初期、まだ『夏潮』創刊前、仮称で「本井ゼミ」と言っていた第2回、2006(平成18)年7月12日の兼題に、「巴里祭」があり、私は<パリー祭みな身罷りし文化人><カトールズ・ジュイエとだけは習ひしも><巴里祭女人こぞりて黒尽>という句をつくっていた。 選句では、最近は体調が芳しくなくてお出でにならない酒泉ひろしさんの句を二句選んでいた。 <美しく老ひたる人や巴里祭 ひろし>、<黒猫に赤きリボンや巴里祭 ひろし>。 16年も経つのか。

 今回の兼題は「青田」と「灯涼し」、私はつぎの七句を出した。
  客人を乗せて来さうな青田風
  羽越線窓に流るる青田かな
  月山の裾までずつと青田かな
  煙草手に青田見て佇つ老爺かな
  闇迫る貴船の床の灯涼し
  ちらちらと烏賊釣船の灯涼し
  灯涼し打水流れ石畳

 私が選句したのは、つぎの七句。
  青田中ちさき祠に御柱       真智子
  さわさわと波打つ青田日を返し  真智子
  峠より風の青田を見はるかす   礼子
  校庭に一坪ほどの青田かな    さえ
  そよがせて風は青田の色となり  伸子
  灯涼し東京湾を象れる        裕子
  着陸へ湾岸の灯の涼しかり     美保

 私の結果。 <羽越線窓に流るる青田かな>を美佐子さん、<月山の裾までずつと青田かな>をななさん・明雀さん、<闇迫る貴船の床の灯涼し>を真智子さん・明雀さんが採ってくれて、互選5票と、まずまずだった。 本井英主宰は欠席で、後選となった。
[俳句]

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