立川談笑の「金明竹」
2023-02-05


 袴を穿いた談笑、決して怪しい者ではありません、歴史の長い会で、失礼なことは言わないよう、心がけて参りました、と。 新潟の落語会、にじいろの会(?)というのがあって、一之輔、扇辰、喬太郎なんかが行き、一日6時間もやる、芸人の無駄遣い。 白鳥師匠がメンバーを集めた、この会では白鳥はNGワードですか? 二列二列のグリーン車、麻生太郎副総理(当時)の現物が二つ後ろにいた。 ダンディー、カッコいい。 すてれこの一之輔の後ろに座った。 上野を過ぎて、一之輔を見ると、シートが倒しづらくて困った顔をしてる。 あいつは小者、一言いえばいい、大丈夫、すみません(甚平さんみたいに)倒させて頂いていいですかって。 一之輔が、そう言った。 私が「内閣を」と付けた、麻生さんに聞こえないようなレベルの声で。

 与太郎、座んな、叱言だ、裏の宮田さんの赤ちゃんの口に変なものを、放り込んだろう。 あたいのカカトの皮。 あれ嫌いだよ、出したから。 よく教えてくれた。 猫のヒゲを抜いたのも、お前か。 爪切れって、言ってるように見えたから、切ってやった。 向こうの屋根で滑ってるじゃないか。 店の前を掃除しろ、箒目が立つように。 ホコリが立つ、水くらい撒け。 手元ばかり撒くんじゃない。 そんな撒いたら、人にかかるだろう。 相済みません、手前どもの小僧でして。 二階でも上がれ、人目につかないように、掃除をしろ。 笑ってんじゃない、お前はあいつのオバだよ。 水が垂れてきた、家の中に撒く奴があるか。 下で、店番をしておくれ。

 雨が降って来たよ。 まっぴら、ごめんねえ。 軒を借りたい、雨宿りだ。 傘ないのか、貸してやるよ、雨にも負けずだ。 誰か来たな。 そこにあった傘を貸してやった。 蛇の目のか、一番いい傘だぞ。 どこのお方に貸した。 尻っぱしょりした、毛むくじゃらの人。 やんわりと断れるんだ。 家にも貸し傘は沢山あったんですが、この長湿気(ながじけ)で、骨と皮がバラバラになったので、焚き付けにした、と言うんだ。 誰か来たら、必ずおじさんに知らせるんだぞ。

 与太郎さん、こんちわ、鼠が出るんで、猫借りに来た。 お向うの番頭さんか、うちにも貸し猫は沢山いますが、この長湿気で、骨と皮がバラバラになったので、みな焚き付けにしました。 誰か来たか? お向うの番頭さんが、猫を借りに来たので、やんわり断った。 この長湿気で、骨と皮がバラバラになったので、みな焚き付けしたって。 生き物にも断わりようがある、うちの猫は最近盛りがついて家に寄り付かない、どこかで海老の尻尾でも食ってきて、お腹を壊してピーピーになって困る、マタタビをなめさせて、奥に寝かせてあると、言うんだ。 言い訳の通信教育だな。 誰か来たら、必ずおじさんに知らせるんだぞ。

 隣町の泉屋ですが、目利きの鑑定に、中島誠之助先生、旦那をお借りしたい。 旦那ですか、最近盛りがついて家に寄り付かない、どこかで海老の尻尾でも食ってきて、お腹を壊してピーピーになって困る、マタタビをなめさせて、奥に寝かせてある、テレビで高校野球を見てます。 えっ、主人共々、改めてお見舞いに参ります。 また誰か来たな。 隣町の泉屋さんが、旦那の顏を借りに来たんで、あたい、ちゃんと生き物の断りようで、これこれと断わった。 すぐ行ってきます、みっともない。 誰か来たら、おばさんに声をかけるんだぞ。

 ドロンドンドン! 「火焔太鼓」になりそうだから、やめておこう。


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[落語]

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