桂吉弥、上方の見台(平らな小机)と膝隠し(衝立)は、無しだ。 1994(平成6)年の入門だから、三十周年、これもひとえに私の努力の賜物だ、と。 大した噺ではない、夜這いの噺なので、気楽に聞いてほしい。 米朝一門で、桂梅團治に教わった。 その師匠の三代目桂春團治のは美しかった、歌舞伎座で玉三郎を見るよう。 はめものといって、途中にお囃子が入る、落語も大道芸から出ている。 それにしても、歌舞伎や芝居は高い。 南座の團十郎白猿、新之助披露興行が22,000円、ミユージカルの「ムーランルージュ」が17,500円、今日はお安くさせてもらっています、と頭を下げて、羽織を脱ぐ。 お囃子が入って、値段は安い。
あばばの茂平、その他の、若い衆の名前を並べたてる。 三代目は、このけったいな名前を並べるだけで、大爆笑だった。 若い衆の寄せ場、お玉ちゃんをウンと言わせたい、という話をしている。 あばばの茂平の話、おばさんにこしらえてもらった弁当をつかって、一服していた。 堤の上に、お玉ちゃんが通ったので、土下座をしたら、お玉ちゃんが下りてきた。 三服目を喫った煙管を、拭いて出す。 吸い口を拭かんでもよい、と言われた。 お玉ちゃんが、ねぶって戻す。 ツバの跡を、思い切り吸った、吸い殻も食った。
京のお屋敷に勤めていた話を聞く。 住めば都というけれど、ええとこおへん。 好きな人がいたか? 辛気に、ボーーッと暮しておる。 それ誰やねん? 好きなお方は、鼻の先でおます。 男前にとぼけたら、太腿をギューーッとつねられた。 左手を肩にかけ、右手を襟元に入れ…、善光寺。 目が覚めたら、夢やった。
研ぎ澄ませた鎌を持った男、わしがお玉をウンと言わせた、と。 土橋の上で、ウンか鎌か、ウンか鎌かと迫り、藪の中で、今夜、裏の切戸を開けておいてくれ、と約束した。 可哀想なのはお玉、泣いて帰ってきた。 父親の与次兵衛、お玉はわしの部屋で寝ろ、牛をお玉の部屋で寝かす。 蒲団に寝た牛、今日は誕生日かしらと思い、蒲団を見ると京都西川。
鼻の先に頬被り、北国屋の庄さん、イとロとハでさっさとやって来る。 切戸は開いているのかな(三味線と歌)、真っ暗けだ、痛ッ! 柱だ。 障子を開けて、お玉ちゃんの部屋。 ブルッ、ブルッ! えらい鼻息やな。 あんた、えらく大きいな、寝太りか。 気色悪いな、蒲団の下にも、毛布がある。 この毛布、端がないよ、どこが頭や。 お下げ、髪の毛がベチベチ、仰山鬢付け油つけたな。 良い匂いか、(手を鼻へ)臭いッ! えげつない! こっちが頭かい。 太い簪(かんざし)だな。 こっちにも、太い簪がある。 どうじゃ、お玉をウンと言わせたのか? いいや、モーッと言わした。
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