大河ドラマ『べらぼう〜蔦重栄華乃夢噺〜』の森下佳子脚本が、令和の米騒動をさっそく取り入れているのが、面白い。 まず、浅間山の噴火から。
第25話「灰の雨降る日本橋」は浅間山の噴火、天明3(1783)年の4月8日に始まり、以後断続的な噴火をへて、7月6〜8日の大爆発で火砕流と溶岩流が北麓の村々を埋め、吾妻(あがつま)川流域を襲い、死者2万人余という。 火山灰に加え、噴煙が日射量を減らし、天明の大飢饉が起こった。
蔦谷重三郎(横浜流星)は、吉原者は家屋敷を市内に持てないということで日本橋進出を阻止されていたが、降った火山灰の片づけを、町内対抗の遊びに変えることで解決、ライバルの鶴屋喜右衛門(風間俊介)からも「江戸一のお祭り男よ」と暖簾を贈られて、天明3年秋には蔦屋耕書堂の日本橋通油町への進出を果たす。
蔦重は、店舗を買った丸屋の女主てい(橋本愛)と祝言を挙げたが、商いの為の仮の夫婦だった。 教養のあるていは、蔦重にいろいろなことを教え、見やすい一覧表の出版目録「品の系図」を作ってくれた。 そして、江戸一の利け者の女房は私では務まりません、出家すると店を出る。 ていを蔦重は追いかけ、彼女が前に武将だがよい商人だったと教えた「陶朱公(范蠡(はんれい))の女房になりませんか」「おていさんは、俺が俺の為だけに目利きをした、俺のたった一人の女房でさ」と説得して、初夜を迎えることとなる。
どちらも、「灰降って地固まる」。
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