藤原正彦さんの教育論、「褒める」
2006-02-02


 藤原正彦さんは講演後、小・中学校のカリキュラムに何かヒントを、という 質問に、持論を展開した。 小学校の4年生までは、一から四まで徹底的に国 語(道徳は含めていい)、五に算数。 みずから本に手を伸ばす子供をつくる。  理科・社会は、5,6年生からでいい。 小学校から、パソコンと英語は追放。

 (1)親と教師は、子供を中心にしない。 ケダモノを人間に変えるのが教育。  容赦する必要はない。 子供に傷ついて這い上がる「我慢力(りょく)」が出来 る。 「我慢力」の不足が、理数ばなれ、読書ばなれにつながっている。 読 書は、教養がつく唯一の手段で、見識・大局観が得られる。  (2) 親と教師は、自分が正しいと信じている価値観を押し付ける。 惻隠の 情、弱いものを助ける、卑怯を憎む心。 問答無用で教える。 会津の藩校、 日新館の教え「什の掟(じゅうのおきて)」の最後に「ならぬことはなりませぬ」。  最初に「踏み台」を与えることが大事、その後の飛躍は子供にまかせる。

 その後で、藤原さんの言ったことが印象深かった。 細かいことでは、毎日 怒鳴りつけてもよい。 しかし、本質的なこと(アイデア、やさしい心など)で、 激しく褒め上げること。 そのメリハリが必要。 誰にでも、褒めるべき点が ある。 それを、目ざとく見つけて褒める。 そうした褒め言葉は、将来挫折 した時に、その人の支えになる。 落ち込んだら、褒められたことを思い出す ことだ。 その材料を与えておく。  (私はここで、子供の頃、先日の「等々力短信」「書くという楽しみ」に書い た先生方に、作文を褒められたことを思い出した。)

[文化]

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