小朝流全開の「扇の的」
2007-09-26


 「扇の的」は「源平」として演じられる噺の一部かと思う。 講談調のとこ ろがあるからだろう、また上方風のしつらえにした。 「元禄花見踊り」で出 た小朝、薄紫の羽織の下は、白地に赤・黄・緑・空色の水玉が縞になった派手 な着物の着流し。 もともと自由奔放に演じられるこの噺は柄に合って、小朝 流全開、快調に演じた。

 歌武蔵を受けて、まず大相撲の話。 伝統芸能というもの、だから何なの、 と言ったら、それでオシマイ。 「古池や」を、だから何なの、と言ったら、 それでオシマイ。 スタイル、精神性が支えている。 茶道、柔道、剣道、と 道がつく。 大相撲、人工的につくった肥満児が闘うというのが、時代に逆行 している。 「部屋」がいけない。 「チーム・タカサゴ」「ユニット・サドガ タケ」にして、スタジャンを着る。 イケメンを集めて、セイヤ、スバル、オ ットセイなど、ホストが使う四股名にしたらどうか。

 義経は、主役になれない人だ。 千本桜でも勧進帳でも、そうだ。 異母兄 弟は赤の他人、頼朝は貴族の系統だが、義経の母常盤御前の父は一般人。 義 経は、140cmくらいの小男で、目は小さく、イケメンとは程遠い顔だった。 リ アルなキャスティングをすると、猫ひろしさんが一番いい。 常盤御前は絶世 の美人だった。 絶世の美人というのは、百人が百人、美人だと認める人だけ れど、先日のミス・ユニバースの森理世さんという人は賛否がわかれた。 子 供たちが常盤御前を読めるのは、常盤貴子がいるからで、アイドルは社会に貢 献している。 芸名には、魚偏か何かの難しい字をつけたら、どうだろう。 義 経は、声が甲走っていて、カリスマ性がなかった。 カリスマ、長嶋さんは巨 人軍の監督になった時、「興奮しますね、ウチは毎日が巨人戦ですから」といい、 フジテレビの女子アナが「私も偶然、監督と同じ誕生日なんですよ」というと 「そうですか、何日ですか」と訊いた。 那須与一は無名で、源氏のホームペ ージにも載っていなかった。 おしまいの文句は「義経、モンゴルの大草原に 死す、の一席」だった。

[落語]

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