シーラカンスと若気の至り
2012-01-30


 シーラカンスは、シーラカンス目シーラカンス科の海水魚。 古生代に栄え たシーラカンス目魚類の唯一の遺存種であり、「生きている化石」といわれてい る。 全長1.5mをこえる。 1938年12月22日、南アフリカのイーストロン ドン付近カルムナ川沖5kmの海域で、生きているシーラカンスの一種ラチメリ ア・カルムナエ(体長1.4m、体重58kg)が捕獲された。 第二次大戦後、発見 に努めた結果、1952年に二匹目のマラニア・アンジュアナエが捕えられ、その 後もコモロ諸島周辺の水深70〜600mのところで捕獲報告が続いた。 1998 年には新たに太平洋でも、インドネシアのマナド・ツア島で、シーラカンスが 捕獲された。 形態には原始的な点が多いが、多面、陸生四足動物の祖先に近 いともいわれる。 現生種と属も科も異なるが、化石も数多く知られている。

 1967(昭和42)年、日本に最初のシーラカンスの複製標本が来た。 前年12 月、コモロ諸島(当時はフランス領)で捕獲されたもので、フランス政府(シャル ル・ドゴール大統領)から、正力松太郎読売新聞社社主に贈られた。 読売新聞 は大々的に報道し、展覧会も行われたように記憶している。 インターネット を検索すると、古代へのロマンを感じさせるシーラカンス人気は、今も続いて いるようだ。 昨年12月10日、静岡県沼津港に沼津港深海水族館〜シーラカ ンス・ミュジアムがオープンしたそうだ。 下関市立しものせき水族館〜海響 館では、2003年3月21日から、上に書いた正力読売社主に贈られたシーラカ ンスの複製標本を展示しているらしい。 それは1976年3月よみうりランド 海水水族館で一般公開された後、2001年3月からはサンシャイン国際水族館で 展示されていたという。

 読売新聞とシーラカンスで、思い出したことがある。 シーラカンスの複製 標本が初めて日本に来たというので、読売新聞が大騒ぎをしている頃のことだ。  正力松太郎社主はオーナーだから、現在のナベツネさんに輪をかけたような存 在だった、と言えば、ご理解を得られるだろうか。 読売に「USO放送」とい う、朝日の「かたえくぼ」と同じ欄がある。 正確に覚えていないが、世の中、 斜に見ていた私は「「生きている化石」展 社主も展示します ―読売新聞」と いうようなのを投稿したのだ。 もとより採用されるとは思っていなかったが、 担当者ぐらいは喜んでくれるかと思った。 若気の至りであった。

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