「立冬」と「帰り花」の句会
2012-11-15


 8日、「一の酉」の日は、「夏潮」渋谷句会だった。 兼題は、「立冬」と「帰 り花」。 その前日の「立冬」は、早朝霧が出て、暖かい日になった。 ほとん ど準備らしいことをせずに、私の出したのはつぎの七句、案の定の結果になっ た。

洗面の水の冷たき冬に入る

ごそごそとストーブを出し冬に入る

東京は霧の中から冬に入る

立冬は小春日和となりにけり

梅園の盆地の底に帰り花

今日もまた変らぬ暮し帰り花

日の当る終の栖に帰り花

 私の選句は、次の七句。

遠目にも白きは梨の帰り花       ひろし

パン捏ねる生地のぬくさも今朝の冬   松子

竃(へっつい)の黒光りして冬に入る  和子

ミルクティーミルクたつぷり冬に入る  淳子

立冬の雑踏にゐて人恋し        さえ

連結の音の響いて冬立ちぬ       善兵衛

枝先に夢みるやうや帰り花       良

 私の成績は、〈洗面の水の冷たき冬に入る〉と〈今日もまた変らぬ暮し帰り 花〉を松子さん、〈日の当る終の栖に帰り花〉を主宰と善兵衛さんが採って下さ って、主宰選1句、互選3票の計4票だった。 「鳴かず飛ばず」の鳥に、チ ョボチョボ毛が生えたと、いったところか。 〈終の栖〉に主宰の選評は、あ る感慨、庭先でここにずっと住むのだという、しみじみとしたよい老境、とい うお歳でもないけれど…、と。 先日来、腰痛で楽しみにしていた福澤諭吉協 会の旅行や、第532回落語研究会に行けなかった私は、そんな気分にもなって いたのだった。

[俳句]
[身辺雑記]

コメント(全0件)
コメントをする


記事を書く
powered by ASAHIネット