10月19日に書いたように、10月12日浅草の「ちんや」でクラス会をやっ た時、テレビ朝日のクルーが入っていて、食べているところを撮影したり、感 想を聞いて回ったりしていた。 それが 9日BS朝日で、夜8時から放送され た。 中村吉右衛門が案内役の「美味しさの物語 幸福の一皿」という番組、 今回は「すき焼」関東風と関西風の比較がテーマだった。 11月23日(金) 20:00〜21:00に再放送があるそうだ。
「どれだけ出るかわからない」と知らせていたのだが、案の定というか、さ らっとした扱いだった。 タイトルにもちょっと出た宴会の全景で、一番左に ワイシャツ姿ブルー・レッド&ブルーのネクタイをしているのが幹事だった私 だ。 ちんやの味が好きとニコヤカに語っているのが卓球部OB会長の山本公 策君、旨そうに食べているおしゃれな白石公通君はファッション業界人、嬉し そうな大写しはその名も場所に縁のある二代目雷門牛六(もーろく)こと長沼 毅君である。
「関西風」は、近江八幡の「毛利志満」、東京にあった「米久」はここが出て 来ていたのだというのは初耳だった。 熱した鍋に牛脂を引き、肉が直接鍋に 触れないようザラメを散らし、近江牛(但馬産)の小豆色の肉をのせ、醤油だ れをかける。 前に福澤諭吉協会の旅行で行った時に知ったこの地の赤(糸… 太目)こんにゃくが、織田信長の派手好きに由来すると伝わる鉄分の色だとは、 知らなかった。
「関東風」は、わが「ちんや」、江戸時代に諸大名や豪商などに狆(ちん)な どの愛玩動物を納め、獣医も兼ねていたので「ちんや」、明治13年に料理屋に 転じ、明治36年にすき焼の専門店になったという。 鍋で葱を焼き、その葱 の筏の上に肉をのせ、すぐに甘めの割下(醤油1、水1、味醂2に多めの三温 糖)をかける。 割下は二三日寝かすが、温度や配合で微妙に味が変化するの で、毎日開店前に、六代目住吉史彦社長(二回り下の後輩だった)が、色目と 香り、塩気と甘さのバランス、味のなじみ具合をチェックする。 まず葱を焼 くのは、われわれのクラスが卒業した昭和39(1964)年東海道新幹線の開業 で関西からの客が増えて、教わった「関西風」由来だというのが面白い。 伝 統に固執しない、柔軟な姿勢に好感を持つ。 肉は歯応えを大事にして、3ミ リ厚(赤身は2ミリ)の手切り、焼豆腐は近所の市川食品特製、バーナーで炙 っていた。
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