認知症を予防するには?
2017-12-28


    認知症を予防するには?<小人閑居日記 2013. 4. 29.>

 25日の「等々力短信」1046号に書いた大塚宣夫さんの『人生の最期は自分 で決める』(ダイヤモンド社)の中に、講演などすると決まって出る質問に、「認 知症にならないためにはどうしたらよいか」というのがあるという話がある。  私も、「ボケない方法」という話をしてくれないかと、頼んでみたことがある。  彼が忙しくて、実現しなかったけれど…。

 大塚さんは、その答に次の四つを挙げるという。 だが、三つしか見つから ず、私も認知症の初期になったかと一瞬思ったが、そのあとの発想転換法が四 つ目なのだろう。 閑話休題。 第一は、長生きをしないこと。(これも勇気あ る発言だ。) 認知症の発生率は、75歳を境に急激に高まるので、その前に死 んでしまえば、認知症になる可能性はグッと低くなる。

 第二は、楽隠居をするなら遅くとも60代前半までに始めること。 定年退 職してビジネスの第一線を退いた後、新しい生活を組み立てるのには、精神的 にも肉体的にも多大なエネルギーが必要だ。 70代になると、特に男性はその ための気力も体力も不足してきて、いわゆる緊張の糸が切れ、一気に認知症が 始まることも少なくない。 楽隠居するなら、まだ余力のある60代前半まで に、次の15〜20年間の生活スタイルに移っておくべきだ。

 第三は、自分が動かなければ、社会的に困る仕組みをつくること。 楽隠居 をした人も、自分を有用な存在たらしめることが大切だ。 趣味の世界に生き るにしても、自分がやらなければ物事が始まらない、自分が世話をしなければ 困る人がいる、自分がいなければ店や会社が立ち行かないなどということにな れば、緊張の糸も切れず、認知症にならずに体力の限界に近づける。 その延 長線上で、大塚さんが最も推奨する認知症予防法は、一人暮らしだというわけ だ。

 さて、第四とおぼしき、発想転換だが、第一に、長生きをする限り、認知症 は避けて通れない道であると、覚悟を決めること。 そして、運良くならなけ れば、儲けものと思えばいい。 第二に、認知症になることを心配して生きる より、認知症になる前に、やりたいことを目いっぱいやること。 リタイアし たら、野菜づくりや渓流釣りを思う存分楽しもうと言うのは、愚の骨頂だ。 そ の時になったら、できるかどうかわからないし、体力、気力も衰える。 60歳 の時にやりたいと思ったことは、70歳になったらもうできない。 70歳の時 にやりたいと思ったことは、75歳になったらもうできない。 やりたいことは、 いつやるか。 売れて売れて、プロ野球の始球式にまで登場した予備校の先生 のセリフと同じだった。 「今、でしょ」。

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