「ジョンソン博士はこう言った。」と引用すれば
2020-04-20


 伊丹レイ子監修『ジョンソン博士語録』の「まえがき」、伊丹レイ子先生の書 かれた「「ジョンソン博士語録」の背景」を少し読んでみよう。  サミュエル ジョンソンは18世紀文壇の重鎮、大御所で、英文学史上、聖書、 シェイクスピアの次に、頻繁にジョンソンが今日でも引用される。 その魅力 の秘密は、彼の伝記を記した弟子筋にあたるジェイムズ ボズウェルの著作であ る『サミュエル ジョンソン伝』(1791年)によるところが大きい。 32歳若 いボズウェルはジョンソンに父像を見出して敬愛し、ジョンソンの言辞を一言 一句そのまま会話的に記録し、それをほぼ年代順にまとめたのが、今日でも伝 記文学の一大傑作といわれる『ジョンソン伝』なのだ。

 英国の知的な人々の交わりで、「ジョンソン博士はこう言った。」と引用する と、ただちに一座に認められるという効果がある。 ‘What Did Dr.Johnson Say?As Dr.Johnson said…’は、英語による知的な会話へのパスポートの役 目をはたす。 例えば、ロンドンに旅行者として滞在中、ロンドンはいかが? と 聞かれたら、こう言えば決まりだ。

 ‘As Dr.Johnson said,“when a man is tired of London,he is tired of life;for there is in London all that life can afford”’

 「もし吾人がロンドンに飽きたというなら、それは人生に飽きた人間のいうこ とだ。というのはロンドンは人生が提供できる全ての(素晴らしい)ものをも っているから。」

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