やなせたかしのことば 2「正義とはいったいなんなのか」から。
「正義は常に逆転する」…とにかくぼくは、飢えることが一番つらい。正義は常に逆転する。もし本当に正義を行なおうとすれば、傷つくことも覚悟しなければならないと痛感するようになりました。そしてこれが、アンパンマンの物語の基本的ポリシーになっています。(『人生なんて夢だけど』(フレーベル館))
「正義のための戦いなんてどこにもないのだ」…正義のための戦いなんてどこにもないのだ。正義は或る日突然逆転する。正義は信じがたい。ぼくは骨身に徹してこのことを知った。これが戦後のぼくの思想の基本になる。逆転しない正義とは献身と愛だ。それも決して大げさなことではなく、眼の前で餓死しそうな人がいるとすれば、その人に一片のパンを与えること。これがアンパンマンの原点になるのだが、まだアンパンマンは影もかたちもない。(『アンパンマンの遺書』(岩波現代文庫))
「どんな理由があっても戦争はすべきではない」…どんな理由があっても戦争はすべきではないということと、もうひとつは正義の味方だったらまず最初にやるべきことは、ひもじい思いをさせないこと、餓死しかかっている人を救うのが先決と、身にしみて痛感していたからです。(『痛快!第二の青春 アンパンマンとぼく』(講談社))
「ほんとうの正義というものは、けっしてかっこうのいいものではない」…ほんとうの正義というものは、けっしてかっこうのいいものではないし、そして、そのためにかならず自分も深く傷つくものです。(『あんぱんまん』(フレーベル館)あとがきより)
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