『新興国から見える日本のすがた』
2017-02-12


 そこで高橋秀明さんの講演は、新興国でのグローバルリーダーシップ研修か ら見えてくる『日本のすがた』という核心の話になる。 ミャンマーでは、生 のミルクを飲まない、カゼインを消化できない体質、子供は背が低い。 子供 にミルクを飲ませるプロジェクトをやったのだが、子供たちは親し気でにこや か、合唱をしたりしてくれる、木を削った独楽で遊んだりしている。 子供の 姿が将来の姿だ。 新興国を見ていると、何十年か前の日本の生活を思い出す。  そして、日本のいい所が、新興国で見えてくる。

 ≪これまでの日本のすがたは、どうだったか≫

 〇奇跡の日本…明治維新後、第二次大戦後の復興と成長。

 〇幕末明治、植民地化を辛うじて食い止めた。 アジア諸国では、タイ以外、 みな植民地となり、本当に酷かった。 日本は植民地化されなくて、まことに よかったのだけれど、ピンチをどう切り抜けたのかを、しっかり考えねばなら ない。 自分は戦後生まれで、(近代史、)昭和史を習っていない。

 〇人口ボーナス…維新の頃3500万人だった人口は、われわれの時代3.5倍 の頂点になっていた、それが今、下がっている。

 〇戦後の平和ボーナス…吉田茂首相の戦力を持たない政策で、防衛にお金を 使わなかった、その恵みは大きい。 スリランカでは内戦が続き、経済が伸び なかった。 日本は、戦争がなくて、経済が伸びた。

 〇資源の呪いがなかった…産油国のように資源があると、働かないというチ ョイスがある。 日本は資源が何もないから、一生懸命働かなければならなか った。

 〇知育・体育・徳育が日本を創った…日本の教育水準は大変なものだ、音楽 や図工までちゃんとやる。 アメリカ人は、ほとんど音譜が読めない。

 〇勤勉、努力、誇り、技術立国…資源がないから、技術立国。

 〇でも、今に至る道のりを忘れてはいけない。

 ≪これからの日本のすがた≫

 〇少子高齢化による世界に類を見ない人口減少…人口オーナス(重負荷)。  2050年には、人口5千万人を切る。

 〇移民との共生、文化の調和…大量の移民を入れないというオプションはな い。 相手国と条約を結び、きちんと制度設計し、同化プログラムも必要。 移 民と難民は違う。

 〇地方の再構成…コンパクト・シティ化など。

 〇いままでの道のりを活かすこと。 勤勉、努力、誇り、技術立国。

 〇徳育の再構成…親が教えるしつけが大事。 感謝の気持ちを表す会釈(ス リランカでは子供が会釈する)、人をお互いにリスペクトする。 宗教は、日本 のように信仰の弱い方が有利、多様性の尊重。 一神教などだと、宗教の縛り が解けない。

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